2009年12月21日月曜日

奥さんがいつも怒っている!

交通事故にあった方へのEMDRの効果を聞いた男性がおっしゃいました。
「家内にも治療してもらいたい。家内はいつも怒っている。」

「奥さんが同意されたら出来ますよ。多分3~5回のセッションで終わり
ますよ、もし深い問題がなければ。」
と お答えしました。

いつも怒っている、とご主人が思っておられるということは 何か解決でき
ることがあるはずなのです。むしろ解決した方が良い、と言うべきかもしれ
ません。何らかのきっかけで解消すれば良いのですが そうでない可能性
もあるからです。
奥さんがいつも怒っているということは 家庭が憩いの場でなくなっていき
家庭不和にもつながります。

思春期から青年期にいつもいらだっていたという方のご両親は仲良くなかっ
たそうです。ご夫婦の関係は 子どもにも影響します。

善は急げ、と言います。是非EMDRの治療を奥さんに 勧めてあげて下さい
ね!!!

交通事故に遭った方へのEMDR

12月11日のブログで ご主人とけんかをしなくなった、ご主人が気づいておられるかどうか
分からない、とおっしゃった方のご主人のお話を聞くことが出来ました。

スカイプで奥さんとお話していると ご主人が挨拶して下さいました。そこで 伺ってみました。

私:  「車に乗ったとき、奥さんが何もおっしゃらなくなったことに 気づいておられます
     か?」
ご主人:「はい、気づいています。彼女は何を考えているのか分からないけれど 何も言
     いません。」
私:  「それがEMDRの効果なんです。怖い気持ちが消えたから言うことがなくなったの
     です。」
ご主人:「そうだったんですね。本当にスゴイ!スゴイです!けんかをしなくなりました。大先
     生です!うれしいです。ありがとうございます。」

奥さんの交通事故の記憶は また事故にあうかもしれない、という恐怖心から 車に乗るたび
にご主人の運転に口を出し、けんかを招いていた、ドライプが楽しめなかった、という実害が
ありました。一番大きなけんかの原因だったことが消えたのですから ご主人にとってもうれしいことだったのです。
「これから パーティに行くので スカイプ終了させていただきま~す。」
と奥さんがおっしゃり 幸せそうなお二人を
「いっていらっしゃ~~~い。」
と スカイプでお見送りしました。    

2009年12月13日日曜日

Qさんの その後

EMDR治療から1週間後 Qさんに何か気づかれたことがあるかどうか伺いました。

Qさんのイメージは お母さんとの関わりでした。
お母さんにQさんの行為を批判された経験が 細かい部分で判断に迷うにつながっているというものでした。

「迷いが無くなったのを 実感しています。学校での作業中に くよくよ迷い、周りの人がどうやっているか見てから自分もとりかかる、ということが多かったのですが すっかり消えました。気楽に 自分が理解したように作業できるようになりました。」

と報告を下さいました。

実は私自身、不快な体験を EMDRのトレーニング中に治療してもらいました。
昨日たまたまその出来事があった場所に行ったのですが 当時の記憶や感情が遠くに消え去っているのに気づきました。
「確かこの場所で あのような出来事があった・・・」
程度で 当時の悲しい感情は 全く浮かんできませんでした。

私のインストラクターは スポーツ選手の能力向上イメージトレーニングもEMDRで行っているとのことです。
音楽のショーなどのパフォーマンス向上にも効果があります。

2009年12月11日金曜日

追突事故

お姉さんが運転される車に乗っていて 追突された記憶に対するEMDR治療を行ったRさんとお話する機会がありました。

EMDRの治療から 2ヶ月近く経過しています。その後の様子を伺ってみました。

「車に乗るのは もう全然こわくありません。夫ともけんかをしなくなって 周りの景色を見ることが出来るようになりました。EMDRの効果、すごいです!」

EMDR治療の前には ご主人の運転に「あぶない!あぶない!」と口を出して 車に乗るたびにけんかをされていたとのことです。「こわい」という気持ちが  ご主人の運転に小言を言わせていたわけです。「こわい」が治療によって消えたのです。ご主人と車で出かける機会が多いRさんですので けんかが減ったというのは 大きな効果につながったようです!
せっかく縁有って一緒に暮らすのですから けんかは出来るだけ少ない方がしあわせですものね!

2009年12月9日水曜日

グループコンサルティング

先週の月曜、朝3時から7時まで スカイプで4時間のコンサルテーションを受けました。
何故 朝の3時なのかというと カナダ、オンタリオ州のグループコンサルティングだったからです。

スカイプの相手側には 現地へ集合出来た多くの仲間がいました。
トレーニングのパート1とパート2の合計7日近くを一緒に過ごした仲間です。

私が一番遠いということで 最初に指名されました。
私は 日本でのQさんの例とモントリオールでのAさんの事例を出しました。

トレーナーの言葉は いつも原則に従っています。
クライエントにとって「安全な場所」を確認すること、
チェック項目を抜かさないで行うこと、
たとえゆっくりでも状態が動いていれば それは効果が上がっていると見ていいこと等など・・・。

「クライエントの安全が 何よりも大切。」
と この言葉も繰り返されます。

最後に感想を聞かれて
「気分として 魔法の杖を持ったような気がします。」
と言うと グループの中から笑い声が聞こえました。

つい3週間前一緒に過ごした人々だとは 信じられない思いです。
「EMDR学会などで 皆さんに会うことがあるような気がします。」
と 締めくくりました。

トレーナーから パート1、2とグループコンサルティングを終了したことを証明する書類を送る、と
言われました。
楽しみです!

2009年12月8日火曜日

EMDRとアドラー心理学

EMDRではクライエントの解決したい出来事を聞く時 より以前の体験を探すために 同じような感情、感覚を持った出来事をクライエントと共に探します。

アドラー心理学では セラピーをする時に早期回想と言って 一番幼い頃の思い出を聞きます。
ですから EMDRで行うことと似ています。
アドラー心理学のセラピーをしていると お話を伺う中で クライエントの方の早期回想を予測できるようになります。

例えば ギリシャ人のAさんに会って2回目の時、
「私、パートナーと10年間一緒に暮らしているけれど 本当に一緒に居たいのかどうか気持ちは半々なの。」
と話された時に
「もしかしたら 子どもの頃 安定した家庭を経験されていないかもしれませんね。」
と答えたことがあります。

また、アクセサリーが好きな友人は
「あなたは きっとアクセサリーに関する早期回想を持っているはず。」
との私の言葉に
「考えたことも無かったけれど 思い出したわ!子どものころ、母がパーティに行く支度をしていて イヤリングやネックレスをつけるのを きれいだな~と思って見ていたわ。母のベットに腰を下ろして。」

Aさんの例のように アドラー心理学では 子どもの頃の体験と現在の自分の取る行動が重なっている、としてクライエントの方の問題の解決に使います。

どこが一致しているのかは 訓練を受けると徐々に慣れてきてはっきり見えるようになり クライエントの方の行動の予想がつくようにもなります。

EMDRの訓練中、アドラー心理学を学んで良かった、と何度も思いました。
理解が早かったのです。
他の理論を学んで来られた方々のトレーナーに対する質問で分かったのですが
心理学者であったりセラピストであっても
早期回想をご存知ないとトラウマ以前の出来事を理解するのに時間を要されるようでした。

2009年12月7日月曜日

自分の判断に不安がつきまとう

「自分の判断に不安がつきまとう。」
とおっしゃる方、Qさんの治療をさせて頂きました。

イメージは 幼い頃にお気に入りのスカートをはこうとしたら お母さんから
「それは似合わない。こっちのをはきなさい。」
と言われたもの、でした。

否定的な自分:私は自分の判断を信頼できない。
肯定的な自分:私は自分の判断を信頼できる。

それを思い出すと 胸の上部がザワザワとするような感覚がある、とおっしゃいました。
よく 頭では分かっているけれど 体が付いていかない、と言います。
体にも感覚として記憶が残ります。

歴史が大好きなQさんは EMDRの眼球運動と共に
子どものころから現在まで 年表を書くかのように思い出されていきました。

トレーニングを受けているときに よくトレーナーが
「何が出てくるかは 全く誰にもわからない!」
と 繰り返しおっしゃっていました。

本当にその通りでした。Qさんは
「子どものころから全く思い出さなかったことまで出てきて驚いた。いい人々に出会って来たことがわかった。幸せな出会いを
沢山持っているって分かった。」
と おっしゃっていました。

数日後 変化を伺いました。
「友人に 顔色が良いと言われた。判断に迷うことが無くなった。気持ちがいい。」
などの感想等が出てきました。

EMDRの効果はその時だけでなく 持続するそうです。
また 次に お会いするのが 楽しみです。

2009年11月11日水曜日

トラウマだった???

Bさんに 3回目のEMDR治療をさせて頂きました。

1回目は 交通事故の記憶でした。
「ご主人が運転される車に乗っていて ご主人の運転の仕方が気になり、つい口を出します。たいていケンカになります。」
とおっしゃっていました。
事故のイメージのEMDR治療後、変化を伺ってみました。

「車に同乗している時の恐怖心が無くなりました。ケンカしなくなりました。楽です。」

2回目は 子どものころお母さんに
「学校でちゃんと聞いていないんでしょう。」
と言われて 音読をさせられた体験でした。

「授業中、自分の発表する順番になると 気持ちが落ち着かず、ドキドキする。」

「あ~、次だな。」
位の気持ちで 発表することが気にならなくなった。
に変わったそうです。

3回目のEMDRで 解決したい問題は
「人の目が気になる。」
でした。

その気持ちに関連する思い出を探ってもらいました。
すると 中3の時の転校に関する出来事につながりました。

教室で机の前に居るイメージでした。
「うつむいていて 長い前髪と両サイドの髪で 顔を隠している自分。」
そのイメージの中に 見る自分と どうありたいかというポジティブな自分を考えてもらい、EMDR治療を始めました。

1回目の指の運動をしただけで Bさんの顔がゆがみ涙が溢れてきました。
そして そのイメージに関する感情を 表現されました。
「さみしい。」

1回と2回目のEMDRでは Bさんからは感情に関する言葉は出てきませんでした。
「目の奥が熱い。」
「後頭部が後ろに引っ張られる感じがします。」
というような 感覚的なものばかりでした。
そして 少ない回数で 不快度の数値が低くなりました。
ところが きょうは感情がたくさん出てきました。
不快度がゼロになるまで 80回の指運動が必要でした。

ゼロになった後、ポジティブな ありたい自分
「私は大丈夫。今の私でOK。」
のインストールをします。

これも1から7の数値で自分で判断してもらいます。
1 は 本当ではない。
7 は 本当!

このポジティブなイメージにたどり着くのにも 前の時より時間がかかりました。
「どの程度本当ですか?」
と 始めに伺うと
「3。」
と 間髪なく返事が来たのです。

EMDRが終わってからこのことを Bさんは
「すぐに 3、と出てきて 自分でもびっくりしました。」
とおっしゃっていました。

最終的に Bさんのポジティブイメージは 7になり、すっきりされた表情を見せてくださいました。

「始めに涙が出たとき 自分で 顔の筋肉が硬くなっているのを感じてました。」
「イメージが消えた訳ではないけれど 髪で顔を隠している自分が 始めはすぐ隣で見ている感じだったけれど ゼロになってからは 遠く離れて後ろ姿を見ている感じです。」
「あ~、涙が出るなんて思わなかった。」
「スッキリしてます。ありがとうございました。」

などなど、これまでとは違ったBさんとのEMDRでした。

EMDRトレーニングのインストラクターが 繰り返して言っていました。
「治療中に何が出てくるかは 誰にも分からない。」
本当にその通りだと 毎回思います。

分かっていることは EMDR治療の後 誰もが幸せな表情を見せてくださることです。

2009年11月9日月曜日

トラウマだけのEMDRではありません!!!

EMDR国際協会では EMDRはPTSD(Post Traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)の治療に効果があるばかりでなく 次のような精神症状にも効果が報告されている、としています。

パニック障害
複雑性悲観(身近な人の死からくる悲しみ)
解離性障害
心を乱されるあるいは不安になる記憶
恐怖症
疼痛性障害
摂食障害
パフォーマンス不安(スポーツ選手、演奏家など)
ストレスの緩和
アルコール、薬物などの中毒
性的、身体的虐待
身体醜形障害
性格障害

実際、トレーニング中の練習では 不快度が高い問題で練習しないで 気になっている程度の問題を練習するように、と再三言われました。

Aさんとの治療で その意味が分かりました。不快度が高いと 脱感作と再処理に膨大な時間がかかってしまうのです。

EMDRの即効性と効果を実感するにつれ 上記の精神障害で苦しんでおられる方々が EMDR治療に出会われて 楽に、幸せになられることを願っています。
「日本EMDR学会」のサイトに 全国の治療者のリストがあります。

従来のカウンセリング、セラピーより短期間で終わるため 1回の治療費が高いように見えても総額的には少なくて済むと思われます。(もちろん 個人差があります。)

Aさんが5年間精神分析と行動療法にかかっておられ、EMDRでは4回でネガティブなイメージが消えたことからもそれが分かると思います。

2009年10月29日木曜日

Aさん:4回目のセッション

先週 不快感、ゼロになったイメージについて伺うと 
「多分 3くらい。」
とのこと。脱感作からEMDRを行いました。
先週ゼロになっていた為か すぐ
「何も出てこない。」
となり 不快感がゼロになりました。

そこで ポジティブなイメージを再確認した後、
「私には選択肢がある。私は やっていける。」
EMDR治療に入りました。

お互いに疲れてきたので AさんにEMDRの印象を聞いてみました。
驚いたことにAさんは フロイトの精神分析治療を2年間、行動療法セラピーを3年間経験しておられました。
その間持ち続けていたイメージがEMDRセラピーで消えたということになります。
行動療法は私とEMDRを始めるまでされていたとのことでした。

1回目には 果たして終わりはあるのかしら、と思ったAさんとのEMDRでしたが 終わりが来て
さらにポジティブな自分について治療を始めることが出来、ほっとしました。

帰り際にAさんの方から次回の予定を言い出されたり、笑顔でしっかりとハグをして下さったりすることが
Aさんが EMDR治療を気に入っておられる、と見ることができます。

思いがけない驚きもありましたが 効果が出ていることが明らかになり、トレーニングのインストラクターが
「EMDRの効果は とても強力!」
と繰り返して言われたことを思い出しました。

2009年10月24日土曜日

クラスで指された時、ドキドキする・・・

きょうのEMDRのクライエントの訴えは 
「クラスで指された時に ドキドキする。」
というものでした。
勉強に関することで 子どものころの思い出を伺いました。

小学校1年生の思い出を持っておられました。
ネガティブな自分を
「私は 出来ない子」
その思い出の中で どのようであったら良いと思うかは
「私は ちゃんと出切る。」
でした。

EMDR治療で ネガティブな思いがゼロになった時に
ポジティブな自分について再確認します。
「私は 今の私のままで良い。」
を 選ばれました。

治療後 ネガティブな思い出は消えたとのこと
次回お会いした時に どのような状態か伺ってみたいと思います。

2009年10月18日日曜日

ご主人を亡くして6年目の方へのEMDR

きょうは 友人のお母さんの誕生パーティに招かれて行きました。
友人の義理のお姉さんも来られていました。
ご主人(当時51才)を亡くされて6年目です。
お葬式にお会いして以来でした。

たまたま二人きりになる機会があったので 様子を伺いました。
悪夢を見たり 泣いたりすることもまだ多いとのことでした。
EMDRを試されたいか伺ったところ 回復のためなら何でもしたい、とのこと。

パーティが一段落してから 友人宅の地下の静かな部屋をお借りしてEMDR治療をしました。
ガンで病気だったベットで横たわるご主人と居るイメージ。
気持ちは「自分は 無力で孤独感を感じる。」でした。

「一人でも生きていける強い自分でありたい。」
というポジティブな自分へというEMDRを行いました。
この方の場合、体で感じる感覚の訴えと感情が入り混じっていました。
思ったより早い時間(50分ほど)で落ち着いた気持ちを報告されました。

「ありがとう。とても気持ちが軽くなったわ。信じられない。違う気持ちで家に帰れる気がする。亡くなった主人も喜んでいると思う。」
と言って頂けて 私もこの技術を学んで 本当に良かった、と思いました。

2009年10月17日土曜日

精神病名

ある方が 精神科医がお子さんに付けた病名でショックを受けたと話されました。

日本で使っている精神病名の多くは DSM-IV-TR (Diagnostic Statistical Manual of Mental Disorders):精神障害の診断と統計の手引き に従って診断されています。
これはアメリカ精神医学会の定めた患者の精神医学的問題を診断する際の指針を示したものです。
病名をつけるのに必要な症状や頻度など基準が細かく定められているものです。

アドラー心理学はもちろんアメリカ精神医学会でも認められた心理学です。
アメリカ心理学会がアドラー心理学の本を出版しています。アドラー心理学を唱えたアドラー博士は 精神科医でしたが病名を付けることをしませんでした。
病気の人は「勇気をくじかれている」と表現しました。

EMDRでも 治療にあたって病名にこだわることはしません。
クライエントの方の 一番古い記憶(短い物語のようになったもの)から イメージをつかみ、それを治療の対象にします。

EMDRとアドラー心理学が重なるのは この記憶を重要視する点です。
アドラー心理学ではこれを 「早期回想」と呼んでいます。

どちらも クライエントの方に 不安障害、パニック障害、トラウマなどの病名をあえてお伝えすることはありません。

どちらも「困難を乗り越えて 前に進んでいくことを援助していくことに重きを置いている」という点でも一致しています。

クライエントの方が EMDRで症状から回復された後、ご家族の方が「勇気づけ」を学んで対応を肯定的なものにされることが必要だと思います。

2009年10月15日木曜日

グループ事例検討会

昨夜 スカイプを使って EMDRの事例検討会がありました。

EMDRでクライエントに対応した経過を ひとり15分ずつ報告しました。
一人一人の報告の後 講師からコメントをもらい、また質疑応答がありました。
8人の参加者で 3時間続きました。

私は 先週の水曜日と昨日2回のセッションを持った Aさんの事例を出しました。

Aさん ---48才(女性)

EMDRを行う前に Aさんに会ったのは2回です。
Aさんに2回目にお会いした時
「結婚して10年だけれど 気持ちの上で安定感が無い。」
とおっしゃいました。
「私の問題なのか 夫の問題なのか分からない。」
とも。

アドラー心理学から見ると Aさんの課題、だと見ることが出来ます。
「もしかしたら 子供のころに安定した家庭では無かったのかもしれませんね。だから 家庭のイメージが持てなくて落ち着かないのかも・・・。」
と答えました。

彼女の答えは
「そのとおりなの。」
でした。

私は 
「EMDRのトレーニングを受けるので クライエントになってもらえますか?」
と伝え EMDRIAのサイトをメールで送りました。

サイトを読んで関心を持ったAさんは すぐ私とのセッションを始めて下さったのです。

EMDRでは セラピストの解釈やクライエントの言葉を繰り返すことはありません。
クライエント自身から 様々な感情、感覚に関する言葉が出てきます。

1回目のセッションは 2時間近くかかりました。
2回目は 1時間半でした。

2回とも お互いに「一緒に成し遂げた」というような一体感がありました。

Aさんが笑顔で次回のセッションの時間の話をされたことが 効果があったことを示していると感じることが出来ました。

講師の話によると「EMDRでは 90分のセッションは普通。」とのことです。

他の参加者の事例は 自分の今後の資料にもなります。

2009年10月10日土曜日

トレーニング・パート1

10月1日朝6時半モントリオール発トロント行きの列車に乗り さらにトレーニングの行われるロンドンまで行きました。

市バスに乗ってホテルに行きます。
ホテルからトレーニングの会場までは徒歩で10分。

会場は多くの会議室があり、参加者が自由に食べることのできる様々な物がテーブルに並べられています。
クッキー、果物、カット野菜・・・
飲み物もコーヒー、紅茶、缶ジュース、ミルク・・・・・

私がEMDRの本を抱えて居たため 近くに来た人に自己紹介されました。
インストラクターの心理学者でした。
彼女はなんとモントリオールで育ち、大学まではモントリオールで過ごした、とのことでした。

パート1の参加者は19名。
トラウマ、家庭内暴力、家族カウンセリングなど自分の専門分野の紹介の後、トレーニングの内容と予定の案内がありました。
年代は20才代後半の人が1名の他は 30才台、から60才台まで・・・。
オーストラリア人、アメリカ人、先住民族、カナダ人など出身も様々です。

疲れで頭痛が酷かったので 薬があるかどうか案内の方に聞くとありました。
優しい笑顔で
「気分がよくなりますように。」
と言って頂けました。おかげで 薬を飲む前から 少し気持ちが明るくなりました。

2009年9月29日火曜日

パート1のトレーニング

10月1日から パート1のトレーニングが始まります。

昨日メールで参加者の 氏名や住所等の一覧が送られて来ました。
訂正があったら知らせるように、と。

20名の参加者のうち1名がアルバータ州から、そして私がケベック州からで
後はオタワ市・トロント市といったオンタリオ州の方々ばかりです。

ロンドン市に行くのは初めてなので 楽しみです。

カナダには新幹線が無いので のんびりとした列車の旅になります。

2009年7月19日日曜日

EMDRとは

EMDRはEye Movement Desensitization and Reprocessingを略した言葉です。
日本語では 「運動による脱感作と再処理」と訳されています。

1998年頃だったと思いますが 日本でアドラー心理学でお世話になっていたS先生にEMDRを体験させて頂いたことがあります。

4月にアドラー心理大学院の卒業の報告にS先生を訪ねました。
先生は EMDRの訓練を受けるように勧めて下さいました。
その時は 2010年の3月に行われる神戸でのトレーニングを受けようと思っていました。

しかし相談に乗ったケースで 行動に働きかけるカウンセリングの限界を体験する出来事がありました。
そこでその解決の為に EMDRのトレーニングを北米で受けるべくネットで探しました。

アメリカのEMDRIRのサイトから ケベックの隣の州で訓練があることが分かり、
10月と11月の訓練に向けて テキストを読み始めました。

日本では「PTSDに効果がある。」として知られ始めているようです。
テキストによると PTSDに限らず 精神病理のかなりの分野に効果があるとのことです。

ここでは EMDRのご紹介と共に
訓練の様子と訓練で学んだことをお知らせしていきたいと思います。