2009年11月11日水曜日

トラウマだった???

Bさんに 3回目のEMDR治療をさせて頂きました。

1回目は 交通事故の記憶でした。
「ご主人が運転される車に乗っていて ご主人の運転の仕方が気になり、つい口を出します。たいていケンカになります。」
とおっしゃっていました。
事故のイメージのEMDR治療後、変化を伺ってみました。

「車に同乗している時の恐怖心が無くなりました。ケンカしなくなりました。楽です。」

2回目は 子どものころお母さんに
「学校でちゃんと聞いていないんでしょう。」
と言われて 音読をさせられた体験でした。

「授業中、自分の発表する順番になると 気持ちが落ち着かず、ドキドキする。」

「あ~、次だな。」
位の気持ちで 発表することが気にならなくなった。
に変わったそうです。

3回目のEMDRで 解決したい問題は
「人の目が気になる。」
でした。

その気持ちに関連する思い出を探ってもらいました。
すると 中3の時の転校に関する出来事につながりました。

教室で机の前に居るイメージでした。
「うつむいていて 長い前髪と両サイドの髪で 顔を隠している自分。」
そのイメージの中に 見る自分と どうありたいかというポジティブな自分を考えてもらい、EMDR治療を始めました。

1回目の指の運動をしただけで Bさんの顔がゆがみ涙が溢れてきました。
そして そのイメージに関する感情を 表現されました。
「さみしい。」

1回と2回目のEMDRでは Bさんからは感情に関する言葉は出てきませんでした。
「目の奥が熱い。」
「後頭部が後ろに引っ張られる感じがします。」
というような 感覚的なものばかりでした。
そして 少ない回数で 不快度の数値が低くなりました。
ところが きょうは感情がたくさん出てきました。
不快度がゼロになるまで 80回の指運動が必要でした。

ゼロになった後、ポジティブな ありたい自分
「私は大丈夫。今の私でOK。」
のインストールをします。

これも1から7の数値で自分で判断してもらいます。
1 は 本当ではない。
7 は 本当!

このポジティブなイメージにたどり着くのにも 前の時より時間がかかりました。
「どの程度本当ですか?」
と 始めに伺うと
「3。」
と 間髪なく返事が来たのです。

EMDRが終わってからこのことを Bさんは
「すぐに 3、と出てきて 自分でもびっくりしました。」
とおっしゃっていました。

最終的に Bさんのポジティブイメージは 7になり、すっきりされた表情を見せてくださいました。

「始めに涙が出たとき 自分で 顔の筋肉が硬くなっているのを感じてました。」
「イメージが消えた訳ではないけれど 髪で顔を隠している自分が 始めはすぐ隣で見ている感じだったけれど ゼロになってからは 遠く離れて後ろ姿を見ている感じです。」
「あ~、涙が出るなんて思わなかった。」
「スッキリしてます。ありがとうございました。」

などなど、これまでとは違ったBさんとのEMDRでした。

EMDRトレーニングのインストラクターが 繰り返して言っていました。
「治療中に何が出てくるかは 誰にも分からない。」
本当にその通りだと 毎回思います。

分かっていることは EMDR治療の後 誰もが幸せな表情を見せてくださることです。