2009年10月29日木曜日

Aさん:4回目のセッション

先週 不快感、ゼロになったイメージについて伺うと 
「多分 3くらい。」
とのこと。脱感作からEMDRを行いました。
先週ゼロになっていた為か すぐ
「何も出てこない。」
となり 不快感がゼロになりました。

そこで ポジティブなイメージを再確認した後、
「私には選択肢がある。私は やっていける。」
EMDR治療に入りました。

お互いに疲れてきたので AさんにEMDRの印象を聞いてみました。
驚いたことにAさんは フロイトの精神分析治療を2年間、行動療法セラピーを3年間経験しておられました。
その間持ち続けていたイメージがEMDRセラピーで消えたということになります。
行動療法は私とEMDRを始めるまでされていたとのことでした。

1回目には 果たして終わりはあるのかしら、と思ったAさんとのEMDRでしたが 終わりが来て
さらにポジティブな自分について治療を始めることが出来、ほっとしました。

帰り際にAさんの方から次回の予定を言い出されたり、笑顔でしっかりとハグをして下さったりすることが
Aさんが EMDR治療を気に入っておられる、と見ることができます。

思いがけない驚きもありましたが 効果が出ていることが明らかになり、トレーニングのインストラクターが
「EMDRの効果は とても強力!」
と繰り返して言われたことを思い出しました。

2009年10月24日土曜日

クラスで指された時、ドキドキする・・・

きょうのEMDRのクライエントの訴えは 
「クラスで指された時に ドキドキする。」
というものでした。
勉強に関することで 子どものころの思い出を伺いました。

小学校1年生の思い出を持っておられました。
ネガティブな自分を
「私は 出来ない子」
その思い出の中で どのようであったら良いと思うかは
「私は ちゃんと出切る。」
でした。

EMDR治療で ネガティブな思いがゼロになった時に
ポジティブな自分について再確認します。
「私は 今の私のままで良い。」
を 選ばれました。

治療後 ネガティブな思い出は消えたとのこと
次回お会いした時に どのような状態か伺ってみたいと思います。

2009年10月18日日曜日

ご主人を亡くして6年目の方へのEMDR

きょうは 友人のお母さんの誕生パーティに招かれて行きました。
友人の義理のお姉さんも来られていました。
ご主人(当時51才)を亡くされて6年目です。
お葬式にお会いして以来でした。

たまたま二人きりになる機会があったので 様子を伺いました。
悪夢を見たり 泣いたりすることもまだ多いとのことでした。
EMDRを試されたいか伺ったところ 回復のためなら何でもしたい、とのこと。

パーティが一段落してから 友人宅の地下の静かな部屋をお借りしてEMDR治療をしました。
ガンで病気だったベットで横たわるご主人と居るイメージ。
気持ちは「自分は 無力で孤独感を感じる。」でした。

「一人でも生きていける強い自分でありたい。」
というポジティブな自分へというEMDRを行いました。
この方の場合、体で感じる感覚の訴えと感情が入り混じっていました。
思ったより早い時間(50分ほど)で落ち着いた気持ちを報告されました。

「ありがとう。とても気持ちが軽くなったわ。信じられない。違う気持ちで家に帰れる気がする。亡くなった主人も喜んでいると思う。」
と言って頂けて 私もこの技術を学んで 本当に良かった、と思いました。

2009年10月17日土曜日

精神病名

ある方が 精神科医がお子さんに付けた病名でショックを受けたと話されました。

日本で使っている精神病名の多くは DSM-IV-TR (Diagnostic Statistical Manual of Mental Disorders):精神障害の診断と統計の手引き に従って診断されています。
これはアメリカ精神医学会の定めた患者の精神医学的問題を診断する際の指針を示したものです。
病名をつけるのに必要な症状や頻度など基準が細かく定められているものです。

アドラー心理学はもちろんアメリカ精神医学会でも認められた心理学です。
アメリカ心理学会がアドラー心理学の本を出版しています。アドラー心理学を唱えたアドラー博士は 精神科医でしたが病名を付けることをしませんでした。
病気の人は「勇気をくじかれている」と表現しました。

EMDRでも 治療にあたって病名にこだわることはしません。
クライエントの方の 一番古い記憶(短い物語のようになったもの)から イメージをつかみ、それを治療の対象にします。

EMDRとアドラー心理学が重なるのは この記憶を重要視する点です。
アドラー心理学ではこれを 「早期回想」と呼んでいます。

どちらも クライエントの方に 不安障害、パニック障害、トラウマなどの病名をあえてお伝えすることはありません。

どちらも「困難を乗り越えて 前に進んでいくことを援助していくことに重きを置いている」という点でも一致しています。

クライエントの方が EMDRで症状から回復された後、ご家族の方が「勇気づけ」を学んで対応を肯定的なものにされることが必要だと思います。

2009年10月15日木曜日

グループ事例検討会

昨夜 スカイプを使って EMDRの事例検討会がありました。

EMDRでクライエントに対応した経過を ひとり15分ずつ報告しました。
一人一人の報告の後 講師からコメントをもらい、また質疑応答がありました。
8人の参加者で 3時間続きました。

私は 先週の水曜日と昨日2回のセッションを持った Aさんの事例を出しました。

Aさん ---48才(女性)

EMDRを行う前に Aさんに会ったのは2回です。
Aさんに2回目にお会いした時
「結婚して10年だけれど 気持ちの上で安定感が無い。」
とおっしゃいました。
「私の問題なのか 夫の問題なのか分からない。」
とも。

アドラー心理学から見ると Aさんの課題、だと見ることが出来ます。
「もしかしたら 子供のころに安定した家庭では無かったのかもしれませんね。だから 家庭のイメージが持てなくて落ち着かないのかも・・・。」
と答えました。

彼女の答えは
「そのとおりなの。」
でした。

私は 
「EMDRのトレーニングを受けるので クライエントになってもらえますか?」
と伝え EMDRIAのサイトをメールで送りました。

サイトを読んで関心を持ったAさんは すぐ私とのセッションを始めて下さったのです。

EMDRでは セラピストの解釈やクライエントの言葉を繰り返すことはありません。
クライエント自身から 様々な感情、感覚に関する言葉が出てきます。

1回目のセッションは 2時間近くかかりました。
2回目は 1時間半でした。

2回とも お互いに「一緒に成し遂げた」というような一体感がありました。

Aさんが笑顔で次回のセッションの時間の話をされたことが 効果があったことを示していると感じることが出来ました。

講師の話によると「EMDRでは 90分のセッションは普通。」とのことです。

他の参加者の事例は 自分の今後の資料にもなります。

2009年10月10日土曜日

トレーニング・パート1

10月1日朝6時半モントリオール発トロント行きの列車に乗り さらにトレーニングの行われるロンドンまで行きました。

市バスに乗ってホテルに行きます。
ホテルからトレーニングの会場までは徒歩で10分。

会場は多くの会議室があり、参加者が自由に食べることのできる様々な物がテーブルに並べられています。
クッキー、果物、カット野菜・・・
飲み物もコーヒー、紅茶、缶ジュース、ミルク・・・・・

私がEMDRの本を抱えて居たため 近くに来た人に自己紹介されました。
インストラクターの心理学者でした。
彼女はなんとモントリオールで育ち、大学まではモントリオールで過ごした、とのことでした。

パート1の参加者は19名。
トラウマ、家庭内暴力、家族カウンセリングなど自分の専門分野の紹介の後、トレーニングの内容と予定の案内がありました。
年代は20才代後半の人が1名の他は 30才台、から60才台まで・・・。
オーストラリア人、アメリカ人、先住民族、カナダ人など出身も様々です。

疲れで頭痛が酷かったので 薬があるかどうか案内の方に聞くとありました。
優しい笑顔で
「気分がよくなりますように。」
と言って頂けました。おかげで 薬を飲む前から 少し気持ちが明るくなりました。