2009年12月8日火曜日

EMDRとアドラー心理学

EMDRではクライエントの解決したい出来事を聞く時 より以前の体験を探すために 同じような感情、感覚を持った出来事をクライエントと共に探します。

アドラー心理学では セラピーをする時に早期回想と言って 一番幼い頃の思い出を聞きます。
ですから EMDRで行うことと似ています。
アドラー心理学のセラピーをしていると お話を伺う中で クライエントの方の早期回想を予測できるようになります。

例えば ギリシャ人のAさんに会って2回目の時、
「私、パートナーと10年間一緒に暮らしているけれど 本当に一緒に居たいのかどうか気持ちは半々なの。」
と話された時に
「もしかしたら 子どもの頃 安定した家庭を経験されていないかもしれませんね。」
と答えたことがあります。

また、アクセサリーが好きな友人は
「あなたは きっとアクセサリーに関する早期回想を持っているはず。」
との私の言葉に
「考えたことも無かったけれど 思い出したわ!子どものころ、母がパーティに行く支度をしていて イヤリングやネックレスをつけるのを きれいだな~と思って見ていたわ。母のベットに腰を下ろして。」

Aさんの例のように アドラー心理学では 子どもの頃の体験と現在の自分の取る行動が重なっている、としてクライエントの方の問題の解決に使います。

どこが一致しているのかは 訓練を受けると徐々に慣れてきてはっきり見えるようになり クライエントの方の行動の予想がつくようにもなります。

EMDRの訓練中、アドラー心理学を学んで良かった、と何度も思いました。
理解が早かったのです。
他の理論を学んで来られた方々のトレーナーに対する質問で分かったのですが
心理学者であったりセラピストであっても
早期回想をご存知ないとトラウマ以前の出来事を理解するのに時間を要されるようでした。